色収差を取り除く
色収差は、カメラが画像内に誤った色を記録したときに発生します。フィルム カメラの場合は、通常、レンズの性能の限界によって色収差が発生します。デジタル カメラの場合は、次のようないくつかの要因によって色収差が発生します。
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カメラ レンズ固有の収差によって、画像のエッジがぼやける場合があります。望遠レンズやズーム レンズを使用して撮影した写真では、光軸から離れた光線が入射することが原因で、色収差が発生しやすくなります。
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カメラの自動露出機能は、正しい露出設定を計算する機能ですが、これがセンサ ブルーミングの原因になる場合があります。
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異なる色が異なるカメラ センサ素子によって感知され、それらの色を組み合わせて 1 つのピクセルが生成されます。この処理は、デモサイシング プロセスと呼ばれます。
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処理後にカメラ内部で、劣化の除去、ノイズの除去、シャープニングなどが行われている場合があります。
デジタル写真で色収差が見られるのは、たとえば、次のような被写体を含む写真です。
このような色の問題を特定したら、それを低減または削除することができます。
写真から色収差を除去するには
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[調整]
[色収差の除去] を選択します。
[色収差の除去] ダイアログ ボックスが表示されます。
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ダイアログ ボックスの上部に [変更前] プレビューと [変更後] プレビューが表示されていることを確認します。
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ダイアログ ボックスでズーム コントロールを 200% 以上に設定します。
ズーム コントロールは、[変更前] プレビューと [変更後] プレビューの下にあります。200% にまで拡大すると、写真内の問題領域を絞り込みやすくなります。
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[パン] ボタン

をクリックし、画像をパンして、[変更前] ペインで表示される画像の領域を設定します。
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[変更前]プレビューでドラッグして、修整が必要な領域を定義します。
注意: 修整が必要な領域をサンプル ボックスと言います。サンプル ボックスは最大 10 個まで作成できます。ダイアログ ボックスの中央にある
[サンプルの一覧] エリアには、各サンプル ボックスが「サンプル
n」(
n は 1 ~ 10 の数字) のように表示されます。各サンプル一覧の左には色サンプルが表示されます。これは、そのサンプル範囲の色の平均を示します。
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[サンプルの一覧] エリアからサンプル エントリを選択します。
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[範囲] コントロールに値を入力/設定し、現在のサンプルの色の範囲を決めます。これは、修整されるピクセルの範囲に影響を及ぼします。
指定した範囲は、
[範囲] コントロールのすぐ上にあるカラー ボックスに表示されます。
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[半径] コントロールに値を入力/設定して、サンプルの収差のサイズを決定します。
注意: 既定値は 10 です。4 ~ 20 の値を設定すると、通常、最も良好な結果が得られます。10 を超える値は、センサ ブルーミング収差を含むサンプル範囲に使用できます。10 未満の値は、デモサイシングによって発生した 1 ~ 2 ピクセルの収差の除去や、1 メガピクセル未満の画像の補正に使用できます。
[半径] コントロールには、収差を効果的に除去できる最小の値を設定します。
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ダイアログ ボックスのサンプル ボックス ボタンを削除する
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サンプル ボックスをクリックし、 [除去] をクリックします。
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サンプル ボックスの角を対角の角にドラッグし、2 つの角が重なったところでドラッグをやめます。
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[差の表示] チェック ボックスをチェックします。影響を受ける領域が、[変更後] プレビューに黒地に白い領域として表示されます。明るい領域ほど、修整の度合いが大きくなります。
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[差の表示] チェック ボックスをチェックし、 [画像のプレビュー] チェック ボックスをチェックします。
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10 個を超えるサンプル ボックスを作成するには、修整を適用した後にこの効果をやり直します。

補正後の画像が置かれる新しいレイヤーを自動的に作成するには、[結果を新しいレイヤーに作成] チェック ボックスをチェックします。このオプションは、元のレイヤー上の元の画像を保護します。このチェック ボックスをチェックしない場合は、補正が元の画像と同じレイヤーに適用されます。
選択範囲を作成してから [結果を新しいレイヤーに作成] チェック ボックスをチェックすることで、「誤った補正」を減らすことができます。このコマンドは、画像の個々のレイヤーに使用することもできます。