デジタル ノイズを取り除く
写真における「ノイズ」とは、画像の明瞭感を低下させる小さな斑点を指します。この斑点は、通常、照明不足またはデジタル カメラのセンサの限界が原因で発生します。たとえば、澄んだ青空の写真を拡大すると、オレンジ、赤、パープル、緑などの色の小さな斑点に気づくことがあります。
PaintShop Pro には、写真からノイズを取り除くために、[自動ノイズ除去]、[AI ノイズ除去]、[デジタルノイズ除去] という3 つの高速で強力なコマンドが用意されています。ノイズ除去コマンドを使用すると、写真を分析してノイズによる劣化が特定され、重要なエッジ部分の細部を維持したまま、特定された領域に基づいて修整が適用されます。
左側の画像はデジタル カメラ ノイズのためざらついて見えます。右側の画像は、ノイズが除去された後で、より滑らかでざらつきが少なく見えます。
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[自動ノイズ除去]:
[自動ノイズ除去]により、写真にノイズ補正を自動的に適用できます。
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[AI ノイズ除去]:人工知能(AI)を使って、画像のノイズを分析できます。
[拡張] を選択すると、ノイズを修正する強度を特定できます。
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[デジタルノイズ除去]:修正の適用方法をより細かくコントロールできます。
デジタル ノイズ除去コマンド
[デジタル ノイズの除去] コマンドを使用すると、写真のデジタル カメラ ノイズの除去をより細かく制御できます。
同じカメラで撮影された写真には、同じ領域にノイズが発生する傾向があります。そのような写真のすべてに同じ補正を適用するための設定を作成できます。
次に示すのは、このコマンドが理想的な解決法になる状況の例です。
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過度のノイズが生じやすい写真 (ビデオ や ホワイトボードのキャプチャなど) の場合は、このコマンドを低い設定値で使用すると、ぼかしを入れ過ぎずに画像全体をクリアにできます。
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通常の設定で撮影した写真の場合は、被写体周辺の画像の劣化など、補正が必要な重点領域に対してのみこのコマンドの使用は適しています。
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ノイズ補正を除外する領域が含まれている写真の場合は、保持または破棄する色の範囲を指定できます。たとえば、スキントーンの部分には補正を適用しないようにすることができます。保護する領域は任意の数だけ定義できます。
デジタル ノイズを除去するには
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[調整]
[自動ノイズ除去] を選択します。
AI ノイズ除去を使用してノイズを分析、除去するには
1
[調整]
[人工知能]
[AI ノイズ除去] を選択します。
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すばやく修正するには、
[簡単] を選択します。
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[拡張] を選択し、
[強さ] スライダーをドラッグしてノイズ除去の度合いを設定します。
GPU を利用することで処理時間を改善できると思われる場合は、チェック ボックスの
[GPU アクセラレーション] にチェックを入れます。
アプリケーション ウィンドウの下部にある緑色のプログレス バーが AI 分析の進行状況を表示します。
デジタルノイズ除去の詳細オプションを使用するには
1
[調整]
[デジタル ノイズ除去] を選択します。
[デジタル ノイズ除去] ダイアログ ボックスが表示されます。
注意: [ノイズの除去] タブ領域にある画像プレビューに 3 つの十字線が表示されます。これらの十字線は、画像の明るい領域、中間の領域、および暗い領域のノイズ サンプルを表します。十字線は、[変更前] プレビューで範囲ボックスをドラッグして移動させることができ、それに従ってサンプル範囲も移動します。
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[ノイズの除去] タブ領域で、
[リンク詳細サイズ] チェック ボックスをチェックすると、
[小]、
[中]、
[大] の設定を同じ割合で調整できます。
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[小]、
[中]、
[大] コントロールに値を設定/入力します。
これらのコントロールは、小、中、大のノイズ パターンに適用される補正量を定義します。
4
[補正ブレンド] コントロールに値を入力/設定して、修整後の画像を元の画像にブレンドする程度を決めます。
設定できるブレンド値は、0.0 (ノイズ除去なし) から 100 (画像全体を完全処理) までです。既定値は 70 です。
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[シャープニング] コントロールに値を入力/設定して、ノイズ除去の適用後の画像に適用されるシャープネスの程度を決めます。
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明るい/暗い領域、その中間領域の補正を個別に設定する
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[リンク詳細サイズ] チェック ボックスのチェックを外し、 [小]、 [中]、 [大] の各コントロールに値を設定/入力します。
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[変更前] および [変更後] プレビューで領域のクローズアップを表示するには、十字線をクリックします。
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[変更前] プレビューで、修正ボックスの角を対角の角までドラッグします。
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最大 10 のサンプル範囲を設定できます。
画像のエッジ、完全に黒の領域、または完全に白の領域をサンプル範囲にすると、過度のスムージングにつながるため、避けてください。
[デジタル ノイズ除去] コマンドは、モアレ パターンを取り除くようには設計されていません。モアレ パターン除去の詳細については、モアレ パターンを除去するには を参照してください。

設定値を画像とカメラに固有の設定として保存するには、[カメラ設定] チェック ボックスをチェックし、[設定の保存] ボタン
をクリックします。[カメラ プリセット] チェック ボックスにチェックがついていると、既に保存されているカメラ設定のみが [設定のロード] ドロップリストに表示され、標準設定は表示されません。設定値を標準設定として保存するには、[カメラ プリセット] チェック ボックスのチェックを外し、[設定の保存] ボタンをクリックします。
JPEG 画像で作業している場合、最良の結果を得るには、[調整]
[自動ノイズ除去]
[AI 劣化除去]を選択した後でノイズ除去コマンドを使用します。.
ノイズ補正から画像領域を保護するには
1
[調整]
[デジタル ノイズ除去] を選択します。
[デジタル ノイズ除去] ダイアログ ボックスが表示されます。
3
[変更前] プレビューで、必要に応じてパンおよび拡大/縮小を行い、保護する領域を表示します。
4
Ctrlキーを押したまま、保護する領域を囲むようにドラッグします。
注意: Ctrl キーを押したままにすると、対応する十字線が [ノイズの除去] タブの領域の画像ウィンドウに作成されません。
5
[選択した色相範囲] グループ ボックスで、
[色相] と
[範囲] の各コントロールに値を入力/設定します。
注意: サンプリングした領域を反映して既存の設定値が変化します。[色相] スライダーは、リングの内側でドラッグして手動で調整できます。
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[選択した色相範囲の保護] グループ ボックスで、7 つのグラフ ハンドルのいずれかを下方にドラッグすることにより、その色相範囲の対応するセグメントに適用される補正/スムージングが減少します。
たとえば、中心のグラフ ハンドルをグラフの一番下までドラッグすると、その色相範囲の中間調が完全に抑制されます。
注意: グラフ ハンドルを横にドラッグすることはできません。

選択した色の範囲に関する色調整を取り除くには、[現在のリセット] をクリックします。すべての色調整を取り除くには、[すべてリセット] をクリックします。